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憑依DQ記

 2009-07-11

※注意。

 これは中々本編が書けないことで苛立ち、血迷った作者がネタだけで突っ走った話です。 チートと独自解釈とクロスオーバーがふんだんに盛り込まれたり盛り込まれなかったりしています。 そういうのが嫌いな人はスルーしてください。 世界観が崩壊します。 SAN値は多分、さがりません。 あとかなり省略されていますし、古い記憶に残った単語だけをもちいて話が構成されています。 勿論フィクションです。














 暗黒の視界の中で、不可思議なことを体験した。 いまいち状況が分からないが、名前と性別と表示速度とやらを尋ねられたので俺は答える。 どことなくリインフォースっぽい声だったから答えたというのは内緒である。

「名前はクライド・エイヤル。 男で、表示速度は……とりあえず一番はやいので」

 すると、今度はステレオかモノラルかを尋ねられた。

「最近は普通にステレオじゃね? 別に音には拘らんが……」

 視界が開ける。 ついさっきまで暗黒色だった世界が今度は樹海の中に変化し、木漏れ日が奥に来いとざわめいていた。

「わけが分からん。 つか、何で俺は長剣なんぞ右手に持って……」

 自分の格好を見てみると、マントに鎧に盾がある。 頭のほうにはサークレットのような兜があり意味不明にファンタジーコスプレっぽい。

「わーっつ?」

 それでも、なんとはなしに俺は歩くことにする。 木漏れ日の奥の光に導かれるようにして、幾ばくか進むと大音響とともに滝が姿を現した。 とりあえず、水辺を確保したかなと考える。 と、また声が聞こえてきた。

――クライド……クライド、私の声が聞こえまry

 よく分からないが、俺は電波を受信しているようだ。 俺の知っている念話ではないような気がする。 いつものミッド式やベルカ式の類の感覚とは少し違うのだ。

――真の勇者ry

 指向性念話出力型だろうか? それとも未知の?

――しかし、その前にry

 しかし、面倒くさい。 なにやらさっきから勇者がどうとか、俺のことを教えろとか言ってくるのだが、その前に俺にあんたのことを教えろと言いたい。 無論、都合の悪いことを向こうが答える気は無いらしく、無視してくれる。

――まず、あなたの真の名前を教えてください。

「クライド・エイヤルだっつってんだろ」

 すると、今度は生年月日を聞かれた。 適当に答えると、さらに質問してきた。 答えると、なぜだか心配された。

――あなたは、少し疲れているようです。 なにをやっても上手くいかないとか、そんな風に考えていませんか? でも、それはきっとあなたがなまけているだけでry

「哀れむのか貶すのかどっちかにしろ」

 キレてみると、そいつはやはり無視した。




――それは、クライドが十六歳になる誕生日のことであった。

「いや、ちょっとまて。 俺は今確か18のはずで……」

――十六歳です。

「ミッドの住民票確認しろ!! てーか、個人情報流出させやがったら地の底までおいかけて賠償要求するからな、覚悟しやがれ!!」 

 遠ざかっていく電波の声。 ソレと同時に崩れていく世界。 よくわからんが、とりあえず夢だと思った。 そうだ、コレは夢だ。 きっと、恐らくは、絶対に、夢である。

 そして、目を覚ますと見たことも無い妙齢の女性が視界に入る。

「今日はとても大切な日。 クライドが王様に旅立ちのゆるしをいただく日だったでしょ?」

 優しげに俺を見下ろすその女性は、困惑する俺のことを寝ぼけたと勘違いしている様子である。

「ほらほら、勇者だったお父さんの後を継いで魔王バラモスと戦うんでしょう?」

「わーっつ?」

「さあ、母さんについてらっしゃい」

 そうして、俺は母親と名乗る人に手を引かれながらお城の前まで見送られた。









憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そして冒険へ?」 










「よくぞ来た。 勇敢なる勇者グレアムの養子クライドよ」

 でっぷりした王様が、やってきた俺に対してそういった。 とりあえず、俺は状況把握することだけに努める。 まさか、とは思うのだが、俺はまた別の誰かに憑依したのかもしれない。 死んだ覚えが無いのだが……何故だ?

「すでに母から聞いておろう、そなたの父グレアムは戦いのすえ火山に落ちて亡くなった。 しかし、旅に出たいというそなたの願い、しかと聞き届けたぞ」

「えと、やっぱり怖気づいたっていったら……」

「そなたならきっと、父の意思をつぎ世界を平和にry」

 無視られた。 そこからはとりあえず、口にしたくない。 何故って? どうの剣と旅人の服と、こんぼう二つとひのきの棒と50Gだけで魔王退治に行けって言われたからだ。 そこまでくると、とりあえず俺は理解した。 ここがドラクエ3の世界であることを。 魔王バラモスはメジャーすぎる。 あの名作ならば、俺はどうにか知っているのだ。

「しかもリリカルが半端にクロスオーバーしてやがる……本物の親父の名はオルテガのはずだろう? まさか、リリカルクエスト3とかいう世界なのか?」

 理解できない。 理解できないが、とりあえず俺は勝ち組になったことだけは理解した。

――勇者。

 それは、タンス泥棒したり宝物庫などを荒らしても許される存在。 銀行だけは襲えないようだが、それでも特典は色々在る。 死んでも復活できるとか、残りパーティを全員女性キャラにしてハーレム状態で宿屋に泊まるとか、経験値稼ぎの名の下に希少なモンスターを叩きのめしまくっても許され、やり方さえ間違わなければ世界を確実に救えて人々から尊敬される。 そんな、ふざけた奴が勇者なのである。

「うーむ、闇の書が無いから死亡フラグは……」

 と、考えて思った。 そうだ、死亡しても蘇るが、やっぱり死ぬかもしれないことには変わりは無い。 そして、よくよく考えてみるとあのゲームは初心者は一度も死なないことの方が難しい。

「やべ、痛恨の一撃で、とかアイテム切れて、とかありえるぞこりゃ……」

 対策を考える。 死んだら、多分滅茶苦茶苦しいだろう。 毒でやられる可能性も在る。 空腹は分からない。 しかし、まずはとにもかくにも仲間を集めなければなるまい。 本当ならバラモス退治などほおっておけば良いのだが、だめだ。 立ち位置的にそれをするとえらいことになりそうだ。 それに加えてバラモスの上司は絶望が好物とかいう極悪な魔王だった……と思う。 隠れていたら人類はとんでもないことでなるかもしれない。

「よし、とりあえずルイーダの酒場へ行かなければ……っと、その前に」 

 まずは城の中の物を頂戴しなければならない。 ひたすらにツボの中やタンスを漁る。 だが、途中で衛兵に見つかった。 すると、衛兵は何を血迷ったのか剣を抜いてこちらを攻撃してきた。

「馬鹿な!? 勇者をやらされているというのに衛兵に襲われるだと!?」

 はがねの剣でもって襲い掛かってくる衛兵。 咄嗟に手持ちの武器であるどうの剣で受け止めようとした。 だが、武器の質の差とレベルの差のせいもあってか、俺の武器はそのまま破壊されはがねの剣が肩口から俺の身体を袈裟切りに切り裂く。 激痛が走り、世界が暗転。 そこで、俺の意識は闇に落ちた。

「おお、クライドよ。 泥棒に入りあまつさえ衛兵に切り殺されるとは情けない」

 気がつくと俺は王様の前でぼけーっとしていた。 どうやら、復活させられたようだ。 なんだ、この世界。 勇者の特権が存在しないとでも言うのか? しかも、俺の所持品が旅人の服を除いて全てどこにも無い。 金も1ゴールドもない。

 適当に王様の話を聞き流していた俺は勿論、戦慄を通り越して唖然とした。 どうやらこの世界を舐めすぎていたらしい。

(そうか、リリカルとクロスオーバーしているんだ。 勇者の特権も中途半端になっていても可笑しくは無い)

 死者蘇生が存在する時点でクロスとして有りなのかということも考えたが、冷静に考えればリリカル世界でもアルハザードにそんな秘術があるとかないとか言われてたわけで、クロスオーバーとして許される範囲なのかもしれない。 とりあえず、ここは素直に驚くべきところだろう。 と思っていたら、とんでもないことを言われた。

「――というわけで、勇者の称号は無しにしてもらうぞい。 犯罪者を勇者にするわけにはいかん。 やはり、かのものにするべきだったようだな。 グレアムは優秀な勇者だったから期待していたんだがな……」

「――なぁ!?」

 空いた口が塞がらない。 なら、初めに辞退させてくれてもいいじゃないか。 と、そうこうしているうちに王様が別に用意したという勇者がやってきた。

「クライド・ディーゼル一行、只今到着しました」

「……な、んだと!?」

 何故ディーゼルがここに? というか勇者の称号はこいつのモノになるのか? いや、別に必要にはしてないしこいつなら確かに上手くやるかもしれないが……何故か、含むものを感じた。 それは恐らく、彼が引き連れている面子にあるのだろう。 こいつ、すでにパーティを組んできやがった!?

「気をつけなさいよリンディちゃん。 アレが駄目人間って奴なのよ」

「ふ、フレスタさん!! き、聞こえてますよ!!」

「ふん、突っかかってきたとしてもあの程度の若造、私の魔法言語で吹き飛ばしてやるからそう心配しなくてもかまわんよ」
 
「もう、お爺様までそんな……」

「な、なんというメンバー構成!?」

ディーゼル=勇者 LV48
フレスタ=武道家 LV40
リンディ=賢者  LV65
ヴォルク=賢者  LV85

 呆れた。 しかも、全員既にレベルが四十を越えていやがる。 装備もありえんほどに豪奢だ。 金と実力と装備と人材といい、初めから勝負にならんぐらいの差がある。

(あれー? なんでここの王様は俺を呼んだんだ?)

 初めからこいつらを使え。 というか、最後尾に魔王も逃げ出すぐらいの魔力を持った爺がいる時点で、バラモスに死亡フラグが立っているんだが……。

「……ふむ。 それでは勇者ディーゼルよ。 城の宝物庫にある装備と、百万ゴールドを預ける。 見事バラモスを打ち倒してくるのだ!!」

「待て!! なんで俺のときは貧弱な装備とはした金で、こいつのときはそんなにも全力で支援するんだ!!」

「スポンサーとしてはより優秀な人材に金をかけるのは当然のことだ」
 
「ぐぬぅ!? そ、それを言われるとどうしようもない」

 そもそも、俺のレベルは1だ。 やられた、実力主義社会だったとは!! くそう、なんてこった!? リリカル要素強すぎではあるまいか?

「それに、この者たちには実績がある。 なんとあの不死鳥アースラを蘇らせたそうじゃ。 これは伝説に名を残しても良いほどの功績じゃぞ」

「ぶふぅ!!」

 どうやら、もうすでにありとあらゆる面で差があるらしい。 この状態から俺が魔王バラモスを倒すサクセスストーリーなどありえないだろう。 完全に出遅れている。

「よし、それでは行け勇者ディーゼルたちよ。 そなたらの肩にこの世界の平和がかかっておる」

「ははぁ、この命に代えましても魔王バラモスを討ち果たしてご覧に入れます」

 そういうと、ディーゼルたち一行は去っていった。

 後に残された俺は、とりあえず牢屋に入れられる前に退出することにした。 後ろで王様が『牢屋にあの者を放り込め』とかなんとか叫び始めたので全力疾走して逃げたわけだ。 どうやら俺は逃げ足のレベルだけは高いらしい。

「くそ、とんでもない世界に来ちまった。 うぉ? まだ追ってきやがる」

――衛兵が回り込もうとしている。 しかし、クライドは逃げ切った。











憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そして逃亡生活へ?」 











 城で犯罪者指定されてからはや数ヶ月。 世界が魔王バラモス討伐を成した勇者ディーゼルの偉業を称えてお祭り騒ぎをしている中、それに乗じる形で俺は世界を渡り歩いていた。 しかも、今の俺には仲間までいる。 随分と勇者らしい旅をしているものだ。 それもこれも、我が友ペルデュラボーが心強い援軍と装備を持って現れてくれたおかげである。


LV1   クライド=元勇者
LV??  カグヤ=剣士   ステータス桁違い、しかも上限値不明
LV30  ミーア=盗賊
LV??? ペルデュラボー=遊び人 ステータス??? 数値さえ見えない


 とりあえず、カグヤが剣を振るった瞬間には敵は全滅している。 だもんで、俺とミーアとペルデュラボーは適当にそれを眺めながら、色々とこの世界について話し合っていた。 どうにも、みょうちくりんなロストロギアのせいでこうなっているらしい。 それの捜索が俺たちの行動指針になった。 しかし、思うのだが何故俺のレベルは一つも上がらないのだろうか? もしかして、魔力が上がらないという設定がレベルアップしないとしてクロスオーバーのバランス調整にされているのだろうか? ミーアがどんどんとレベルアップしていくのに対して、俺は未だにレベル1のまま。 カグヤとペルデュラボーはそもそもレベルがどうなっているのかさえわからない。 何故か、あいつらのステータスはバグっている。 まあ、カグヤ一人で勇者メンバーもボコせそうだからもはや何も怖いものなどないのかもしれない。

「いやぁ、それにしても変な世界だね」

「そうだな。 稀に出てくる『フェレットもどき』とかいうモンスターが特に気になる。 スクライア一族がああなっているのか、それとも本当にそういう名前のモンスターなのかさっぱり分からん」

「うーん、一族の人たちなら私を襲うはずないんだけどなー。 お婆ちゃんが思いっきり怒ってくれるもん」

 俺の肩の上で、スカイフェレットが首を傾げながら言う。 なんでも、アギトは装備扱いらしい。 融合解除すると五人になり、パーティーメンバーからミッドガルズの酒場へ強制連行されるらしいのでずっとそのままミーアとくっついている。 まあ、特に問題はないだろう。

「しっかし、デバイスが使えるのはありがたいな」

 普通に魔法を使うことができないが、これを使えば何故かミッド式やらの魔法が使えることもまた可笑しい。 MPとリンカーコアの魔力は別扱いらしく、隠しステータス扱いされている。 これのおかげで武具を買わなくても良いし、これならディーゼルともレベル差を差し引いて勝負できるだろう。 戦うことがあるとは思えんが、奴に色々と美味しい部分を持っていかれたままでは嫌だ。 まあ、実際戦うことなど無いだろうが。 とりあえず、リンディとフレスタは正気に返させてもらおう。 あいつと爺さんはほっといても勝手に帰って来れるだろうし?

「それで、次はどこにいくの? もうこの世界の街も洞窟も歩き潰したと思うんだけど」

「そうだな。 俺の記憶が正しければ後は天界とアレフガルドにある可能性もあるぞ」

「ふむ、神殺しをしてみたい気もするけどそれは最後のお楽しみにしておこうか? とりあえずクライド君、アレフガルドとやらに向かってみよう」

「了解だ。 確か、バラモス城の近くに大穴が開いてるはずだから、そこからいけたはずだ」

 全員カグヤの妙なスキルによってバラモス城まで移動。 飛行魔法で大穴に向かうと、とりあえず突っ込んだ。











憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そして地下世界へ?」 










 地底世界アレフガルド……もとい、地底世界ミッドチルダ。 魔導王シュナイゼルが支配する管理世界であり、質量兵器を封じられた世界だ。 ここでは物理攻撃の一切が無効化され、魔法でしか戦えなくなるらしい。 とはいえ、ミッド式やらアルハ式魔法を使う俺たちにとっては大した意味はない。 カグヤが剣を一振りするだけで敵は死んでいくし、俺のシールドカッターやミーアのバインド、ペルデュラボーがカードで遊んだだけで起こす遊び(?)によって容易く魔物は滅んでいく。

 どうも、この世界の魔物は魔法にめっぽう弱いらしい。

「……空は暗いし、人々は魔法が使える者と使えない者で区別される始末。 まともな世界じゃないな」

「とりあえず、魔導王は死刑ね」

「うわ、伝説の剣士にでもなりたいの襟首女」

「伝説に残る必要はないわ。 ただ、とてつもなく不愉快だからさっさと消えて欲しいだけよ」

「うーん、僕の占いによると……この世界にもロストロギアは無いみたいだけど……、ふむ。 物見有山で魔導王とかいう奴の顔を拝んでから行くのもわるくないかもね」

「あー、そういえば天界ってたしか伝説の勇者じゃなければ行けなかったかもしれん」

「そうなの?」

「ちょっと頑張ればいけそうな気がするんだけどね。 うーん……かなり力技になるかもしれないね。 疲れるかもしれないから、誰か勇者になってもらってからにしようか」

「俺は多分無理だぞ。 もう資格がないからな。 こうなったら、無理やりディーゼルの野郎と合流する方がいいのかもしれないな」

 ついでに、あいつらの目もそろそろ覚まさせておくべきかもしれん。 あとディーゼル、紳士協定を破っていたら遠慮なく俺が勇者に成り代わってやるからそのつもりでいやがれ。

 っと、んん? そういえば、今俺たちが光の玉を持っているんだが、あいつらはどうやってシュナイゼルを倒すつもりなのだろうか? これがなければ黄金マスクとかいうヤバイ特殊能力を防げないらしいんだが。

 まさか、力押しでヤルつもりか? 爺さんとリンディがいるから城ごと吹き飛ばすこともまあ、確かに不可能ではないかもしれないが、さすがにそれはないだろう。 ……多分。








憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そしてチートへ?」 













「たーまやーーー!!!」

「雅さに欠ける花火ね」

「いきなり城が吹き飛んだんだけど……アレって本当に勇者たちのすることなのかな?」

「ふむ、効率的だね。 確かに、一々城を落とすよりも、城ごと粉砕して瓦礫で押しつぶす方が遥かにリスクが少ない」

 ペルデュラボーの言葉には賛成だが、そもそもこの世界観でそれはやって良いことではない。 特に、勇者と呼ばれる奴には外聞とかそういうのもあるはずだ。 もっとこう、スマートにやるべきなのではないだろうか? というか、ストーリー的に言えばあの中にはグレアム叔父さんがいる可能性があったのだが……くそう、なんてこった!!

「叔父さん、仇は絶対にとってみせるよ」

 遠い目をしながら、爆破された城に向かう。 だが、虹色の橋が綺麗だったのでカグヤとミーアは歩いている。 ペルデュラボーもだ。 勿論、俺も仲間はずれは嫌だったのでそれに乗った。 すると、橋の真ん中辺りまで来たときに虹が徐々に消えていった。 だが、見えないだけでそこにあるらしい。 どうやらマジックパレットとウィングロードを掛け合わせた魔法(?)らしい。 もしかしたら、レイン先輩とザースの息子がいるのかもしれない。 ……まさか、な。

「あわわわ、空中散歩だ」

「これは心臓に悪すぎるな。 俺は飛ぶぞ」

「ははは、面白いねこれは」

「エアステップの練習場になるわね」

 どうやら、俺以外は余裕らしい。 やはり、飛行できる魔導師には高所恐怖症などありえないのだろうか? 俺はかなり怖いのだが……。

「おや? 闇が晴れていくね」

「どうやら魔導王が死んだようだな。 世界に光が戻るわけだ」

「けど、この場合勇者は誰になるのかな? 魔導王を倒したのは結局城を爆破した人なんでしょ?」

 城に押しつぶされて戦うまもなく死亡する魔導王<ラスボス>。 出番も無いままに終わったんだとしたら、可哀相なことこの上ない。 と思って城の跡地に向かうと、リンディが胴上げされている場面に出くわした。

「ホゥワーイ?」

 しかも、グレアム叔父さんやロッテにアリアまでいる。 ディーゼルは……あ、気絶してる。

「勇者リンディちゃんの誕生だわ」

 何故、そうなっているのだろう? というか、勇者はディーゼルじゃあないのか?

「おお、その顔はもしかしてクライド君かね?」

「グレアム叔父さん、一体何がどうなったんですか?」

「ああ、どうやら魔導王に彼女が浚われていたらしいんだが、自力で魔王をぶっ飛ばして出てきたそうだ。 そのさい城を爆破してしまったらしいが、まあ大した問題ではないだろう。 ちなみに、ディーゼル君はデート中にリンディお嬢さんを守れなかった罰として賢者ヴォルク殿に気絶させられたままらしい。 三日前に」

 ……魔法言語でか、哀れな。 とりあえず、こいつの持っていたおまもりを奪い、リンディにかけてやる。 すると、どうやらおまもりもリンディを勇者と認めたらしく、妙な光を放って俺たちを天界へと誘った。 ふっ、それにしてもディーゼル。 勇者ではなくなったようだな。 これでようやくお前も俺と同じステージに立ったわけだ。 チート占めなど俺が許さん!!










憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そして天界へ?」 









 やばい、ここに来てパーティーが増えすぎた。 が、世界は三パーティーとして俺たちを区別しているらしく、ミッドガルズの酒場に飛ばされることはなかった。 まあ、飛ばされても黒銀の受付嬢が苦笑しながら迎えてくれるだけなので別にペナルティなどありはしない。 本当なら俺はお尋ね者なので突き出せば賞金がもらえるはずなのだが、ペルデュラボーの友人ということで目を瞑ってもらっている。 ありがたいことだ。 やはり、持つべきものは友達だ。

「むぅ、つまりその妙なロストロギアのせいで我々はこうなっているわけかい」

「それで、勇者として私がその隠しボスとかいう奴を倒せば良いんですね?」

「そういうことだ。 多分、そいつを二十ターン以内で倒したらロストロギアをくれるんだろう」

「もしくは、第五のすごろく城『アルハザード』への扉が開くのだろうね。 そこの景品にされている可能性もあるよ」

「とりあえず、勇者一行だけで十分だろ。 俺は適当にその辺りで寝てるから、後はがんばってくれ」

「……クライドさんは来ないんですか?」

「リンディのパーティだけで十分だろ。 戦力が心配なんだったら、カグヤにでもついていってもらうか? こいつだけで多分隠しボスを一ターンで倒せる気がするからな」

 そもそも、ステータスがあらゆる意味で卑怯すぎる。 

「んー、分かりました。 それじゃあパーティートレードしましょう」


クライド   元勇者  レベル1
ディーゼル  元勇者  レベル75
リンディ   勇者   レベル89
フレスタ   武道家  レベル72


「待て、何故こうなっている?」

 レベル1を先頭にして連れて行くな。 苛めかこんちくしょう。 それと、ディーゼルかフレスタを外してカグヤかペルデュラボーを入れてくれ。 それだけで全滅の心配しなくて済むから。

「ぷぷっ、あんただけレベルが一桁なんてね」

「こ、この屈辱忘れはせんぞ!!」

「えー、うっそー、レベル1が許されるのはダーマ神殿かアリアハンだけだよねーリンディちゃん」

「あ、あははははは」

「しかし、君それでよく今まで生き残れたな」

 武道家は笑い、勇者は苦笑し、元勇者は単純に驚いている。 とりあえず、ここは怒って良い場面だろう。 うん、そうに違いない。 それとディーゼル。 俺は一回死んでるんだが? 全員に怒りのシールドカッターを放つ。 

「えい」

「たぁ」

「おっと」

「ありえん、シールドカッターを武器で殴る程度でこんなにも容易く破壊しただと?」

 れ、レベル差がありすぎる!! こいつらでこれなら、隠しボスはどんだけやねん。 あとフレスタ、お前一番軽装なのにどうやって破壊した? そのフェレットのつめか? そうなのか?

「よく思うんだが、何故か理不尽なものを感じてならない」

 クロスオーバーの魅力はバランス調整の妙のはずなのだが、果たして俺にはどこまでそれが適応されているのだろうか?

「さ、さあいきましょう皆さん。 頑張って世界を救いましょう!!」

 勇者がリーダーシップをとって音頭を取る。 勿論、俺の嘆きを無視してである。

「お兄さん、死なない程度に頑張ってね」

「とりあえず、温泉にでも浸かって来るわ。 後は任せたわよ」

「占いの結果はそう悪くないみたいだから、適当にがんばってよ」

「小僧、リンディに傷一つでもついたら指導が待っていると思え。 勿論、魔法言語でだ」

「がんばれークライド君」

「しっかりね」

「クライド君、無茶はしない程度にがんばるんだよ」

 皆、何故か俺を暖かい目で見送ってくれた。 可笑しい。 そこは俺の安全のためにも引き止めたりパーティーチェンジしてくれる場面だと思うのだが? 皆の優しさが痛い。








憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そして戦場へ?」










「なんてこった、賢者の石を掲げながら逃げ回るしかやることがない」

 ミラージュハイドを使って隠れた俺は、こっそりとアイテムを使う係だ。 ディーゼルとフレスタが前衛でモンスターを押さえ、リンディが馬鹿魔力の魔法で敵を粉砕していく。 それがこのパーティーの必殺の布陣である。 俺一人だけアイテム係として微妙に浮いているが、まあ甘んじて受けよう。 ツールボックスもあるせいで、ふくろ要因としては確かに俺はチート級の後衛なのかもしれん。 だが、何故か俺だけクロスオーバーしきれてないという疎外感を感じる。

「よし、会心の一撃!!」

「じゃあ私は痛恨の一撃よ」

「えーと、これはメラゾーマではないメラだ?」

 ……非常識極まりない。 というか、好き放題やりすぎじゃあないだろうか? 特に最後の奴、何故初級魔法で上級魔法クラスの魔法を敵全体に食らわしやがりますか? つーか、ダメージが四桁いってるんですけど? アレか? 合併したからそういうところでもクロスオーバーしてるのか?

「賢者の石使う必要があるのか本当に」

――クライドは石を振るった。 全員のHPが回復した。

 空しい。 恐ろしく空しい。 なんだろう、物凄く空虚感に苛まれる。 ディーゼルもフレスタもリンディも多分必死なのだと思うのだが、どうしてだろう? 弱いものいじめにしか見えない。

 メタルキングフェレットもどきが、バラモス2Pカラーが、校長の銅像が、次々とワンターンキルされていく。 試しに俺がシールドカッターで攻撃してみると、ダメージが1なのはこれ如何に? マジでバランスが狂いすぎだろ。 ラスボスの世界では有効だったのに、なんだこれ。 やはりレベル差は偉大だったか。

 戦いのドラムを叩くことも考えたが、ミラージュハイドで隠れる意味がなくなるので静かに隅っこで石を振るう。 いるかいないのかさえ分からないパーティー要員。 必要とは思えないパーティー要員。 それが俺だ。 嗚呼、テンション下がる。













憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そして隠しボスへ?」











 まずった、そう思ったのはそいつと相対してからだった。 金色の瞳に金色の髪。 紫の法衣を身に纏ったそいつは、驚くべきことに挨拶代わりにディーゼルにアッパーカットを繰り出したかと思えば、盾で防御したはずのディーゼルの身体を空の彼方まで打ち上げた。 ディーゼルが落ちてくる気配はない。 どうやら、お星様になったようだ。 相変わらず、美味しいところを持っていく奴だ。

「ば、バシルーラならぬ、バシアッパー?」

「ちょ、ちょっとなんか滅茶苦茶強そうなんだけど!!」

「でぃ、ディーゼルさんがお星様に……はふぅぅぅ<パタリ>」

「待て、そこで気絶するのは間違ってるぞ!! 起きろリンディ、寝ちゃ駄目だ!! チートに勝てるのはチートだけなんだぞ!! SAN値はまだ余裕で残ってるはずだろう!!」

 もはや小細工でどうにかなるレベル差ではない。 フレスタがとりあえず殴りかかっているが、防御陣を貫けずに弾かれている。 どうやらフェレットの爪でさえも貫けないほどの強度を持っているらしい。

 それにしてもこの少年、どこかで見たことがある気がするのだが……はて?

「きゃぁぁぁぁぁ!!」

「あ、フレスタも煌く流れ星になった」

 今度はアッパーカットではなく、重力魔法か何かのようだった。 どうやらこの少年、それなりに紳士的な側面をもっているらしい。 ディーゼルが吹っ飛んだときは妙にスカッとしたが、やばい。 残るは俺とリンディしかいないのだ。 ゆっくりと哂いながら間合いを詰めてくるその少年。 俺はリンディを抱きかかえるとミラージュハイドを唱えて逃げ出した。 

――クライドは逃げ出した。 しかし、回り込まれてしまった。 ミラージュハイドは解けた。

「くそ、ここまでか!!」

 リンディを胸に抱いたまま、せめてもの抵抗とばかりに身代わりになる。 悪あがきでシールドも展開したが、壁にもならない。 バシアッパーが俺を襲う。 思わず目をつむった。

「――なに!?」

「これは――」

 だが、結局は何も起らなかった。 いや、何故かリンディの身体が光っている。 いや、正確にはおまもりが光って俺たちを包み守っていた。

「……なんだ?」

 それに気がついた瞬間、確かに世界は決戦場に落ちていった。



――恋が集う。 恋が集う。 恋が集う。

 儚く、苦く、歪んだ、闇の心が集う。

――愛が集う。 愛が集う。 愛が集う。

 満たされる、焦がれる、甘い、光の心が集う。

 想いの極限に位置する。
 愛の極限に位置する。

 ここは異界。どこにでもありふれた世界。
 想いの巣窟。世界の綻び、神々の禁忌。

 光り輝くおまもりが五芒星形の魔法陣を生み出し、次元を歪曲させていく。
 その向こう、次元を歪ませ引き裂きながら、翡翠色の魔力剣が放出された。

「これは……シャイニング・スティンガーブレイド?」

 思わずそれに手を伸ばした俺は、驚愕しながらもそれを手に取る。
 その瞬間、俺は漠然と理解した。 俺に何故用意されたチートが無かったのかを。

「つーか、もう何がどうなってるのか分からんが……」

 剣が発する翡翠の光に呻きながら、隠しボスが一歩後ろに後退した。 本能で察し、恐れているのだ。 この翡翠に輝く剣の力を。

「――つまり、こいつでならやれるってわけだな? 強制イベントとは味な真似をしてくれるぜ」

 所詮レベル1の俺だが、強制イベントであるのであれば問題はない。 リンディの身体を床に横たえ、俺は駆ける。 踏み出した足から全身の血が暖かい何かで満たされていく。 それは、この剣を通して伝わってくる暖かい何かだった。

 鼓動が伝わる。 心臓の音のように、加速するビートが剣より伝わる。 もはや何者であろうとも今の俺を止められないだろう。 翡翠の妖精の加護に守られている俺を、一体誰が倒せるというのか。 空虚が満たされていく。

「それは真逆シャ――ちぃぃ!?」

「うぉぉぉぉ!!」

 隠しボスが拳を構える。 バシアッパーの構えだ。 だが、俺が剣を振り下ろす方が速いだろう。 構わず突っ込み、剣を振るう。 その瞬間、リンディの声が背後から聞こえた。

「――駄目ですクライドさん!! それは”鈍感を断つ剣”ですからクライドさんには使えませんよ!!」

「――へぁ?」

 気がついたときにはもう、俺の身体は隠しボスのバシアッパーによって天高く舞っていた。

(話が違うぞこんちくしょぉぉぉぉぉ!! つか、起きてたんなら先に教えろーーー!!)

 酷すぎる。 強制イベントまで起こしながら、このオチは無いだろう!! そのまま俺は大気圏を離脱してミッドガルズへと跳んだ。















憑依DQ記
「リリカルクエスト3 ?そしてご褒美へ?」










「くそ、なんで俺がすごろく要員なんだ。 俺も温泉へ行かせてくれてもいいだろうに!!」

「ははは、楽しいものだねぇ」

 ヤケになって、ロストロギアがあるはずのゴールを目指す。 一歩先のマスで順番を待っていたペルデュラボーは満更でもないらしく、楽しげにサイコロを振るう。 と、次の瞬間に上の階から落とし穴で落ちてきたフレスタ。 俺は一応受け止めようと手を伸ばした。 あ、石につまずいてこけた。

「ぐえ!? くそ……なぜだ、見せ場もなくこの理不尽な采配。 このクロスオーバー設定はありえん」

「いたたたた、ちょっとクライド。 ちゃんと受け止めなさいよね」

「きゃーーー」

「へぐ!?」

 フレスタをなんとか受け止めたものの、前へ倒れていたところへ頭上から強襲するリンディ。

「あうぅ、ごめんなさい」

「……つまり、あれだ。 結局、どうやってここを出現させたんだ? いい加減白状したら許す」

「えと、その、知らない方が良いこともありますよ?」

「駄目だ。 ここまできたら教えてくれ。 理不尽すぎてたまらない」

「……はぁ。 分かりました。 どうも、二十ターン以内に隠しボスの人を楽しませたら良かったようです。 クライドさんの発動させたあのイベントが大層面白かったらしくて、ここを開放してくれました」

「……なに? つまりアレか? 俺のポジションはあの無敵アッパー野郎から笑いを取るためのギャグ要員だったわけか?」

「そうなりますね」

 申し訳なさそうにリンディは言う。 こみ上げてくるものを抑えきれない。 俺は泣いた。 ものごっつ泣いた。 すると、フレスタがうざそうに言った。

「それで、あんたはいつまで私様に覆いかぶさっているわけかしら?」

「リンディが降りるまでだ」

 その一言でようやくリンディは気がついたのか、いそいそと背中を降りる。 そこで俺もようやくフレスタの上から退いたわけだが、そのときになってもう一つ質問したかったことをリンディに尋ねる。

「そういえば、結局あの剣は何故俺の前に姿を現したのだろうか?」

 考えてみれば、別にアレをするのは俺で無くても良かった気がするのだ。 そもそも使えないのであれば何故出てくる?

「あはははは、さすがにそれは私にも分かりませんよ」

「鈍感を断つ刃……威力はありそうだったんだがなぁ……」

 隠しボスが少なくともビビッたはずなのだ。 使いこなすことができれば、対高ランク魔導師戦闘の切り札になるかもしれん。 鈍感にしか効果は無いのかもしれんが。

「今度ディーゼルに使ってみるか」

 ツールボックスに収納したアレは何故かきえていない。 近いうちに試してみようと俺は固く決心した。 ちなみに、真っ先にゴールしたのはフレスタとパーティーチェンジしたミーアである。 得意げに温泉上がりのカグヤに見せびらかしていたから、よほど彼女に勝てたことが嬉しかったのだろう。 ロスロギアは何故かSFCっぽい形をしていた。

――世界はようやく、元の形を取り戻した。











おしまい

勿論、本編とは関係なし。
鈍感を断つ刃をその後喰らったディーゼルがどうなったかも内緒。
アレが何故クライドの前に姿を現したのかも秘密。
隠しボスの正体は余とかそんな感じで自分のことを呼ぶ人。グルグルメガネは当然無い。
名前が四文字以上のキャラが平然と存在しているのはクロスオーバーだから。
当然、この物語はノンフィクションではない。
コメント
これも本編でいいやw
【2009/07/11 02:39】 | Tomo# #- | [edit]
フレスタが10話で「『今の』あんたに押し倒~といってたが、ここのクライドはありという伏線だったり…。
まさか第三部は黒の中年と暴君の同僚?
【2009/07/25 21:42】 | 茅 #mexrsrk2 | [edit]












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